自閉症のこどもたちのコミュニケーションと社会的スキルの向上
- キッズランドまめの木
- 2023年5月27日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年11月11日

こんにちは!
キッズランドまめの木です!
今日もブログをご覧いただきありがとうございます!
先月から自閉スペクトラム症についての解説記事を連載しています。わかりやすくするため、「自閉症」をとりあげていますが、実は障がいの種別に限らず発達支援の基本だなぁ…と思っています。
自閉症の子もそれ以外の子も
発達障害の子も定型発達の子も…
生まれたときはみんな未熟。
そこから少しずつ発達して大人になっていく。
この記事も、自閉症に限定せず「子育てのコツ」としてお読みいただく方がよいかもしれません😊
では今日もよろしくお願いします!
1.コミュニケーションの難しさ
〜自閉症のこどもたちの視点〜
(1)言葉と言葉以外のコミュニケーション
こどもたちの中には、言葉で考えたり話すのが難しい子がいます。また、身振り手振りや表情を読み取るのことも一苦労です。たとえば、他人が笑っているとき…それが喜びをあらわしているのか、それとも皮肉な笑いなのかを区別するのは難しいようです。
(2)コミュニケーションに対する困難の種類
話す、聞く、理解する能力は一人ひとり異なります。適切に支援するには、ただ「会話が苦手」というのではなく、会話に含まれる様々な要素のうち、どこが苦手なのかを考えてみることが大切です。
たとえば…
会話を"はじめる"のが難しい子 同じフレーズを何度も繰り返す子 相手の話を聞けず一方的に話す子
など、きちんと分解すると「会話が苦手」にも様々なタイプがある。自閉症の子の中には、非常に詳細に専門的な話をする子もいますが、その話が聞き手にとって理解しやすいかどうかは、本人にとって考慮すべき条件になっていません。
2.コミュニケーション能力向上のために
言葉によるコミュニケーションと
言葉以外によるコミュニケーションを
並行して支援していくのがよいでしょう。
(1)言葉によるコミュニケーションの促進
まずは言葉(人が口から発する音)が情報や気持ちを伝える大事な手段であることを感じなければなりません。こども自身が黙っていても、こちらから声をかけ、その子の行動をかわりに言語化してあげることが大切です。
お…プラレールで遊んでるのか! 赤い電車を走らせてるんだね!
といった感じ。
しつこ過ぎて邪魔者扱いされてはいけませんが、こちらから話しかけて、かわりに言語化することで、言葉自体に興味をもってくれる可能性が広がります。
少しずつでも言葉が出てきたら、今度は言葉のバリエーションを増やすことが大切。やり方は同じです。気持ちや目の前の状況を言語化してあげる。その子が言葉を発したら、それをそのまま繰り返す。
その子がが興味をもっているものに焦点を当てるのもオススメです。おもちゃや遊び、好きな映画などを題材にすると、新しい単語やフレーズを学びやすくなります。覚える順番にこだわらず、本人の興味に沿って支援していくことが大切です。
(2)言葉以外のコミュニケーションスキルの開発
人は言葉以外にもさまざまな要素から情報を受け取ります。「目は口ほどにものを言う」なんて言葉もありますね。でも自閉症の子はこうした能力が苦手なことが多いようです。
そうした時には音楽やダンスなどもよいかもしれません。
それらの活動を通じて、非言語的なコミュニケーションの感覚と技術を育むことができます。身振り手振りから相手の心情を感じ取ったり、自分が話すときにもより自然なコミュニケーションを取りやすくなったりします。
3.社会的スキルを育むために…
(1)具体的な体験が大事
おもいやりを持って 相手の気持ちを考えて
学校や家庭でよく耳にするフレーズですが、実はこれ、こどもたちにとって非常に難しい言葉です。「おもいやり」も「相手の気持ち」も目に見えない。目に見えないものを持つとか大切にしろと言われても…
それってつまり何をすればいいの?
という気分になる。だから具体的な行動を示してあげることが大切。「順番をまもって」とか「ほかの人が話し終わるまでは黙って」とか。
説明したって一回でできるものではありませんが、そうして具体的な行動を教えてあげないことには、特に自閉症の子たちはいつまでたってもできるようにはなりません。
ゲームなどもよいでしょう。順番をまもったり、他者と物を共有することの重要性を体感的に理解することができます。
(2)適応的な社会的スキルの獲得を支援する活動
ロールプレイや対話型のゲームも、社会的スキルを育てるのに役立ちます。例えば、「レストランごっこ」では、注文する役とウェイターの役を交代で演じることで、順番待ちや対話のしかたを学ぶことができます。
また、言動を具体的な「ほめ」は、子供たちが社会的スキルを向上させる重要な要素です。適切な言動を具体的にほめることで、その行動を強化することができます。
たとえば、お友だちとおもちゃを共有できたときには、「取り合いにならなくてとても素敵だったね。友だちもきっと喜んでるよ!」と言ってみたり。
必ずしも一度に達成する必要はありません。一歩一歩、こどもたちのペースで進んでいくことが大切。それぞれのお子さんが持つ能力を信じ、彼らの成長を応援しながら、少しでも穏やかに過ごしていきたいものですね😊
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
キッズランドまめの木は、茨城県県南地域(石岡市・土浦市・小美玉市・行方市)に複数の施設を運営しています。医療ケア児にも対応。保護者のお悩み相談に対応するカウンセラーも配置しています。 >お子様の障がいや発達の偏りにお困りの方 >困ってないけど子どもの資質をもう少し伸ばしてあげたい保護者のみなさま… ぜひ一度、まめの木までお問合せください。 相談支援専門員や公認心理師が対応させていただきます。
Comments